今年の内科学会講演会が東京国際フォーラムで開催されたので、内科全般の最新知識をゲットしようと、勇んで会場に赴いた。土曜の午前中は会場もあまり混まず、巨大講演会場も3-4割の入りといったところか。もっとも、シンポのテーマが「幹細胞異常と内科系疾患」という、ホットではあるが難しそうなものだったせいもあるかも知れない。案の定、遺伝子用語が溢れる如くに用いられて、興味深くはあるけれどものすごく難解で、時々記憶が飛んでしまった。しかし、多くの疾患の研究が内科のどの分野でも細胞遺伝子レベルに進み、成果が上がっていそうなことを知って、結構興奮する2時間ではあった。地区医師会の講演会のクロージングリマークでしばしば使われる「明日からの日常診療に役立つご講演をありがとうございました」というセリフは使いづらいけれど、世の中の進歩と頭の中の知識のかい離を実感した2時間でもあった。一方、招請講演、教育講演は多少わかりやすい解説がはいっており、ホッとすることができた。昼休みに会場で配られたサンドイッチとペットボトルで空腹をしのぎ、ICカードで認定登録を済ませた後はフォーラムをさようなら。銀座に向けて歩く途中、コーヒーを飲みたくなったのでEAビル5Fのカード会社ラウンジに寄ってカプセルコーヒーを飲む。ちょっと前、さらに上階のイタリアンで食べる前に寄ったときはがら空きだったけれど、今日はほぼ満席なのに驚いた。客の年齢層も若く、サラリーマンらしくはない連中がiPadいじったり、雑誌読んだりしている。
銀座4丁目のデパートで買い物の後は晴海通りを東に向かう。途中の歩道は大混雑だったけれど、歌舞伎座が近づくにつれて和服を粋に着こなした男女が増えてきた。新しい歌舞伎座は連日満員御礼だと聞くが、一幕見席入口にも人が並び、何とも華やかな粋な風景であった。
今日の最後の目的地の勝鬨に向かう。東銀座を過ぎて隅田川に向かうとビルの間を吹く風は冷たく、土曜日の午後だけあって築地の場内場外もそれほど混み合ってはいない。本願寺を通り過ぎ、ドラマで人が刺されたり刑事が必ずいる川沿いの遊歩道を下に見て渡り終わって数百メートルのところに突然の20人ほどの人の列があった。4時直前に到着したけれど、すでに暖簾が出ているところを見ると、もう開店して客が入っているみたいだ。いやな予感。でも、仕方ないので列の最後尾に並んで待った。ただただ待った。夕方になって気温は下がり、高層ビルの間を吹く風はますます寒い。10分から15分に一組ずつ、一杯入って満足そうな赤い顔して客が店をでると、同人数が入れる仕組みである。10人くらい前の大学生風の6人組は結局3つに分かれて別々に入店していった。前が2組になったところで、空腹感強くなりすぎて近くのセブンイレブンでチーズケーキを買ってきて食べた。とてもおいしい。後のカップルはやはりコンビニでホッカイロを買って使っていた。ということで1時間半待った挙句ようやく入店を許された。
店内はカウンターのみで、椅子を置けば10人は入れるかどうかの広さに20人ほどが入って飲み食いをしている。椅子があるのかどうか混んでいてよく見えない。多分ないんだろう。メニューはB4くらいの黒板に達筆で書かれただけで、よく読めないところも多く、半分はあてずっぽうでオーダーした。アルコールはヱビス黒とハイボールと冷酒と熱燗各一種類。だから選ぶのに迷うこともあまりなく、頼みまくって待つ。この待ち時間は実に短く、あっという間に料理も酒も手元に出てくるのがグッドである。最初は生うにの牛肉巻。間にシソを巻き込んである。食材の不思議な組み合わせと思うし、健康的には結構ダメと思うが、実に美味しく一気に食べてしまった。栄養素的にはさみしいランチと明日の食事で帳尻を合わせようと勝手に計算を終了した。次に出てきたオコゼの刺身も、さすが築地が近いだけあってか新鮮で歯ごたえがあり堪能した。蒸しアワビに次いで筍の焼き物もホクホクしながら食べる。牛肉の煮込みを食べ終えるころには結構満腹感あり、アルコールも3杯入ったところでお会計は1人当たり5000円わずかに切った額というのは、待たされ時間と店内の立ち席という減点があっても安いと言って良さそうである。