2013年8月15日木曜日

オスロ・フィヨルドをみながら

オスロ空港からたかだか30分くらいのドライブで到着したホルメンコーレンジャンプ場のジャンプ台は眺望最高の場所で、オスロ市街、郊外とオスロフィヨルドが一望のもとである。人口が百数十万人の都市ならば、道路網が整備されているこのエリアならわずかの時間で郊外に出て景観を楽しむことができる。友人のTore夫妻の家に3日間滞在することになった初日、彼らも珍しいという快晴の空の下、山の中腹のテラスで陽光を浴びながらコーヒー飲んだりして向かったジャンプ台兼展望台から見るオスロフィヨルドは、長い内陸水路を経ての最奥にオスロ港がある。実際にはフィヨルドではなくてリアス式の海岸だと思うが、港に至るまでの水路が実に狭くて長く、第2次世界大戦のおり、ドイツ軍が侵攻するのに難渋したのももっともである。感心するのは森の中に散在するとしか見えない街々の住宅群が近代的で小奇麗なことで、間を縫う軌道システムもしゃれている。この広さに少ない人口、豊かな石油資源と高率の消費税に裏打ちされた比較的優良な財政的基盤のもとであるからとはいえ、また、北欧の短い夏の一瞬という条件付きとはいえ、素晴らしい環境に思える。
 リタイアした警察官というToreさんは仕事はしてないみたいで、一方奥さんは何かの会社で事務仕事をしている。山中に所有するキャビンをベースキャンプにして狩りをするのが趣味とのことで、写真集を見せてもらったが、愛犬のポイントによりゲットした野鳥を持って得意げな姿はなかなかのものである。到着当日の午後7時、北欧の陽はまだ高い。家のわきのテラスでのバーベキューが始まった。狩猟犬のブロンコはとても人懐こくておとなしくて、日本語にも嬉しそうに応えてくれる。遠くを見れば、オスロフィヨルドが青く輝き、外海に向かうフェリーが白い船体を見せる。こんな場所でのグリルされた肉とビールとワインとアクアビットが美味しくないわけがない。