2012年7月24日火曜日
専門医セミナー
久し振りの砂防会館。消化器内視鏡学会の関東セミナーである。400名を超える参加希望者があり、参加できない人もあった由。このところ、専門医制を持っているすべての学会が、申請・更新の条件に講演会・セミナーへの参加義務を相次いで打ち出している。確かに、学会総会の総合受付で参加費を払ってどこともなく去って行く会員は決して少ないわけではないから、専門医の質を高く保つために必要なことであることは確かなんだろう。学会の発表は、最新のデータではあるが、それが事実真実として普遍性永続性を持つかどうかはその時点では未確定だ。一般会員にとってそういう発表を聴いて見るのは楽しいものではあるが、日常の診療に生かせる知識とは言いがたいことも事実であり、すでに確立していることをまとめて教えてくれるセミナーは大切なツールである。ということで、会場に到着。10分前だったが9割5分の入場状況で、前過ぎず、後ろ過ぎずの所の空いた椅子に座ったら、隣が東海大学時代の若手のホープで、近況はといえば実家に帰って消化器の開業医していた。数席後ろには、やはり大学時代に仲が良かった前某病院副院長、現付属クリニック院長がいて、それぞれ名刺交換をして今日のお仕事の2/3は終わった感覚に捕らわれたが、セミナーはそんな甘いものではなかった。確立された事実を、その人なりの味付けをして、わかりやすくプレゼンするという行動のシークエンスを、それぞれのスピーカーについて吟味するのは聴く側の権利だと思う。言い換えれば、しゃべる側は何をどう伝えるかプレゼンするかをわきまえた上でしゃべるべきだ。概して良いプレゼン・レクチュアだったと思うが、聴衆にわからせる努力を最も感じたのが、慶應系の病院で長らく内視鏡をしていた医師と、大学でがんばっている医師だったのはちょっと嬉しい。なかには、自分の主張を言いたいだけとしか思えない人もいたし、ペーパーの表紙コピーを乱発して時間を浪費した人もいた。しゃべる側、聴く側の両者にとって、セミナーはきわめて有意義だったというのが今回の結論である。ああつまらない。
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