足利市郊外、山の斜面の林には椎茸栽培の切り木が並び、開けた南斜面は葡萄畑。てっぺんにはワインボトルの大風船が浮かんでいる。自家用車では行けないので、足利駅前からのシャトルバスに乗車して向かったここ、ココ・ファーム・ワイナリーは、結構インタナショナルな雰囲気が醸し出されていて、楽しそうだ。エントランスではダウン症のおじいさんおばあさんが出迎えてくれた。迎える人も迎えられる人も、同じ早さで流れる時間の下で、一緒に静かに年を取り、それぞれの人生を過ごしていく。葡萄畑に広がるブルーシートの下では皆が楽しくワイングラスを空けている。そういうポジションも良いけれど、我々のためには広場のテントの下のテーブルを早くゲットしてくれて頂けていた。働いている彼を中心に皆が集まって、ヌーボーで乾杯。爽やかな酸味と甘みのミックスされた新酒の味が口の中に広がった。旨い。新酒のワインはこういう風にして畑のとなりあたりでみんなで飲んで母なる自然に感謝するのが良いんだと思う。つまみはグリルされたチキン、ピザ、etc,etc。手作りのピクルスも美味しいなぁ。
ここで働くこころみ学園の方々が汗を流して作り上げたワインなどの品質を維持し、しっかりした商品としてマーケットで消費者に販売する、ここの仕組みは、知的障害者が関与するビジネスモデルとして素晴らしいものだと思う。親族の方々の協力体制も大変なものだと思うが、超長期おそらく一生をそこで過ごす仕組みを作った創始者は賞賛に値する。
トイレに行こうと道を下っていくと、突然葡萄畑の斜面から若い女性が転がり落ちてきた。でこぼこの土の急斜面でのハイヒールは、そりゃ無理だ。軽いねんざだと診断して、救護班にお任せした。
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