2014年10月13日月曜日

亡国のイージス

ケモラジが無い週末は月曜が休日とあって3連休になり、何もすることがないが、24時間の持続点滴中だから外に出て遊ぶわけにも行かず、息子が持ち込んでくれたDVDのうち、亡国のイージスを見ることにした。福井晴敏の本は大人向けはほぼ全作品を読破しているが、その中でも一番印象に残っている作品だ。この作家は器用にライトノベルと大人向けを書き分けているように見えるが作品の中にはどっちつかずのものもあり、最近はちょっと興味を失いつつあるけれど、この時期のは面白いのが多い。この映画を観て思うのは、一つは自衛隊協力映画はやはり迫力が違うということと、もう一つは、ほとんどが日本人俳優であるがよくも顔つきを使い分けたなという驚きである。艦艇、戦闘機などはもちろん最新のところや重要部分の詳細なところは見せてくれるはずもないけれど、それらが実際に航行し、飛行する様は最高の画像だ。協力に至るまではそれなりの紆余曲折があったらしいし、ストーリーも原作とは少し異なっているが、それでも充分楽しめる。一方、小説では読者が勝手に想像するしかないことが多い登場人物の顔であるが、中井貴一をはじめとする乗っ取り側の人物はどの顔もいかにも半島の人、あるいは太古の昔半島経由で日本に渡った民族の顔つきである。韓国の俳優も数名いるが、それらと混じってしまうと見事に同化し、一方の乗っ取られ側と比較すると顔貌だけでどっちサイドかわかるくらいだ。寺尾と勝地だけがその顔貌よろしくどっちサイドかよくわからない活躍をしてくれる。乗っ取られ側は、ヘッドクォーターで右往左往する自衛隊、政府幹部も含め、ほとんどが南西諸島経由あるいは北方領土経由あるいは混合の顔つきだ。それぞれの側がその内部で様々な対立・融和をみせ、それに職場内の上下関係、家族内の愛憎、さらに最近のテレビドラマ(とくに警察もの)でよく見られるできの悪い上司と優れものの部下という構図が入り交じって、退屈しない2時間を過ごしたのだった。

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