久し振りの長崎である。初回は確か中学の修学旅行、二回目は井田病院研修時代の学会で、三回目は10年位前の消化器病だと思った。修学旅行で覚えているのはなぜか中津の福沢諭吉の生家と雲仙岳のケーブルカーだけ、二回目の長崎で覚えているのは料亭で食べた卓袱料理の美味しかったこと、三回目で覚えているのはなぜかハウステンボス行きのバスに乗った学会の太った重鎮の姿、というわけで、今回は到着日に老舗の料亭を訪れた。目的は卓袱料理といってもランチ用にデザインされたミニ卓袱(姫重と言う名前がついている)。小ぶりの三段重ねの重箱に作られた料理はまさにミニ懐石だけれど、お味はよろしい。日本酒がぴったりの味付けの各品を完食して、見た目には量が少ないかなと思ったが食べ終わった時点ではまあまあの満腹感だった。NPO法人軍艦島を世界遺産にする会理事長の解説をききながら歩く島の景観はまさに壮絶である。中東はいざ知らず、わが国では普段めったに見ることのない巨大廃墟を目の前にすると言葉も出ない。子供時代をここで過ごしたという理事長の解説も熱を帯び、ちょっと重たいけれど話は福島原発にまで及ぶ。しかし、ほぼ外洋の荒波の洗礼を受け続けるこの島の人工構造物の寿命はそれほど長いとは思えない。数十年でもとの岩礁に戻るような気もする。
昼過ぎに寄港後、長崎めぐりの後半戦が始まった。船酔いから回復した家内と二人でまず中華街江山楼で名物皿うどんを食べたのち、市電を利用しまくって平和公園、浦上天主堂、爆心地、稲佐山展望台を渡り歩いた。歩いた距離も半端なく、良いリハビリになったと思う。でも、稲佐山からの夜景が香港、モナコ、とともに世界の新三大夜景ってホント?
それはそうと、長崎の最後の夜に食べた焼き肉ホルモンは最低の味だった。地元のパンフはウソもある。


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