2015年3月16日月曜日

またまた温泉三昧

 歩き見る見どころもそれほどない移動日はうすら寒い曇り空だった。長崎駅から特急「白くないカモメ号」と「ゆふいんの森」号を乗り継いで湯布院に向かった。前半は波ひとつない有明海を右に見て、後半は標高が高いためか雲が低く遠くの景色が見えない山間部を特急列車はひたはしる。景色がそれほど面白くないあいにくの天気なので、長崎で買った飲み残しの焼酎を飲みながら車内のチェックをすると、ゆふいんの森号は床は板張り、ショップとの境にはのれんが下がり、カウンターもあるショップは半ば居酒屋と化していた。CAによる湯布院の観光案内もありなんとか退屈せずに湯布院に到着したのだった。
 霧深い山と森の中に点在する超高級旅館
という湯布院のイメージは駅から外に出たとたんに粉砕されて、目の前にあるのは連休の旧軽銀座の賑わいだった。違うのは近くてやや遠い隣国の言葉が飛び交っていることだ。ほとんどすべてのジャンルのtake out と eat in shopが軒を並べているが食べながら歩く気もしなかったので、年齢にふさわしく蕎麦屋で昼食、通りを一応端まで歩いて、少し離れたところにある今夜の宿に向かった。
喧噪の通りから外れて坂道を上ること約30分、山荘というだけあってちょっと荒れた感じの入り口が見えてきた。玄関から帳場までの廊下もせまくて古臭く、進む毎に不安が増す。幸いなことに、部屋は普通で広く、古臭いことを除けばなんとか住めそうだ。窓を開けると数十メートル先に源泉があり、水蒸気の太い柱が立ち上がっている。湯治に来たのだという当初の目的を思い出し、さっそく風呂に向かった。日本有数の湯量を誇る湯布院温泉だけあって、この山荘もお風呂だらけであった。客室数10、収容人員40名だけれど、うち3室が温泉風呂付で、だれでも入れる内湯2、露天風呂2、内湯と露天がセットになった家族風呂が3組分あるという具合である。もちろンすべてかけ流し、お湯の温度があまりに熱いのでフロントからはとにかくどんどん水で薄めてくださいといわれ、入ってみると確かに熱い。チェックインからチェックアウトまでの間、ほぼすべての風呂を制覇し、多少湯あたり気味で山荘を後にしたのだった。

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