2011年9月12日月曜日

やれやれ

前経済産業相の発言がその資質を大いに疑わせるものであったのは確かで、国の政を預かる者のセリフとしては全く不適だと思う。国の方針に従って無人の街とならざるを得なかった現地の風景を、人ごとのように、あるいは映画のワンシーンを見ての感想のように表現されては、住民はたまらない。まして、発言の主が現職の大臣であればなおさらである。これに追い打ちをかけたのがあの放射能発言で、これはもう「ばい菌ごっこ」のノリである。野党幹部の発言の通り、大臣としてとか議員としてとかより人間性の問題といわれても仕方がないだろう。任命責任もさることながら、選出した有権者の責任も問われるべきかも知れない。わからないのは、このひとが、話を聞きに周りに集まってくるメディアとどういうお付き合いをしていたのかだ。今のメディアが事実を公平性第一でアナウンスすることを信じているヒトは少数派だと思う。平穏無事無風凪な世の中は、メディアにとっては面白くも何ともない世界で、追求されているのは変化、異常、目新しさ、など何でも良いから退屈しないニューなものだ。それも、そういえばちょっと前に同じようなことがあったな、と思えるような過去の出来事との類似性があったほうがメディア自身にとっても受け手にとっても分かりやすくて受けがいい。メディアの鋭い嗅覚は大臣の一連の発言のなかに、組閣直後に始まる不祥事に進めていけそうという、ちょっと前に見た風景を感じ取ったのだと思う。そういう相手と遊び友達的なことをしてたら、それはまずいよ。

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