2012年2月18日土曜日

葬儀

 午前10時からの葬儀ということで8時に三鷹を出て越谷市斎場に向かった。三郷西出口で高速を降りて北上すると、畑には前夜降った雪が数センチ積もっている。三鷹とは降雪量が違う。この辺りは大昔は江戸川と荒川の流れが時代ごとに少しずつ位置を変えて作った豊かな土地で、江戸時代には江戸に近い立派な穀倉地帯だったのだろう、川とか人工の水路などが多く、川辺に沿って走ったり小さな橋を渡ったりのコースで、水辺の景色が多い。スプレッドした住宅・工場のためにお世辞にもきれいとは言えない水辺になっているのが残念だ。9時30分到着。故人は98歳で、死去する直前まで辞書をひも解いてクロスワードパズルを楽しんでいたとのことである。当然のことながら、その齢になれば同年代の友もほとんどなく、結果、参列者は僕自身を含む親族がほとんどを占める。受付をお願いした町内会の方とご近所と思しき数名がそのほかの方々であった。浄土宗の読経、引き続いての焼香、初七日の読経ののち、故人の眠る棺に思い出の品々と溢れるばかりの花を置き、棺の蓋を閉じ、地続きの火葬場に棺を運んだ。火入れ後の昼食会は20年~30年ぶりの邂逅に思いのほか話が弾み、近況報告の花が咲いた。骨壺に骨を入れる作業は、たかだかその1-2時間前にあった肉体が、かくも少量の骨片を残すのみかという思いのまま終わった。最後に入れる頭骨の破片の部位を説明する係りの言葉の簡単さが、故人から遺骨、さらに骨片への変化を確定し、ヒトからモノへの変化をあっけないくらいあっさりと片付けてしまったのだった。

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