桜が満開の京都を初めて訪れた。鴨川端、平安神宮、琵琶湖疎水まわり、インクライン、円山公園(円山公園から知恩院あたりの桜は残念ながら散り始めており、でも、新緑がきれいだった)、どこへ行っても美しい桜にあふれているこの古都のこの季節は本当に素晴らしい。桜の咲き方が何気ない。どう表現したら良いのかわからないのだが、都(みやこ)全体が春めいているとでも言えば良いのだろうか。東京にも桜の名所はいくつもあるけれど、多くの場合桜の花だけががんばっていて、周りがそれに同調してくれていない。そんな違いがあるように思う。内科学会でこれだけ講演をまじめに聞いたのが久し振りなら、合間にこれだけ歩き回ったのも初めてだ。歩いていて、京都が水に恵まれた街であることがよくわかった。これだけ大きな都市で中心部を流れる川の水がこれだけきれいなのに感嘆する。昨日夕方通った弁財天近くの白川の流れとその周りの町並みの粋なことといったらない。近くの割烹で旬の食材だけを使ったと言ってもいい楽しい美味しい食事を食し、カウンターの客同士楽しいひとときを過ごした。後で調べたらミシュラン二つ星。ふーん。今日は、午前中はしっかり講演を聴いて勉強し、午後は知り合った陶芸家の作品を楽しむことと醍醐寺のしだれ桜を見るつもりでいたのだが、京都駅周りが恐ろしい混雑で、荷物を預けることもままならず、結局昼食後まもなく新幹線に乗ってしまった。宿題が残った旅行だった。
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