2012年4月24日火曜日

IMF

G20で明らかになったIMFへの拠出がニッポンがダントツで多く、その結果他の諸国からも拠出表明が出て、欧州危機解決への時間的なゆとりが少し増えたらしい。普通の新聞ではあまり大きいニュースにはならなかったけれど、この行動は最近のニッポンにしてみると実に上手くやったもんだと思う。ニッポンの今の経済的な苦境は、輸出で稼ぐという旧来のやり方を、周囲の新興国や中国の発展を横目で眺めながら警戒感を持たずに昔のまま続けていたところが、襲ってきた円高のために、いつの間にか無くなっていた国際競争力がさらにダメージを受けて四苦八苦しているといったところだ。この20年というものは政治のエネルギーが国内の政争に費やされてしまい、国際競争力でがんばっても選挙では勝てない政治家が出来てしまったし、我々も選挙だけ勝てば良いと考える政治家を作ってしまった。資源が無く、マンパワーも少なくとも数に関してはこれから減少するこの国では、国と国との交渉をどうやってニッポンに有利に進めるかは、とても難しいけれど絶対必要なことだ。交渉自体には資源が必須であるわけではなく、必須なのはそういうことに秀でた頭脳をいかにゲットするか、あるいは育てるかだろう。残念ながら、選挙で国際問題を第一に訴えるような立候補者を最近見たことないし、ちょっと前までの政権における国際問題のプロみたいな人は、どうみてもUSAの使い走りみたいだった。USAにしてみれば、Japan as No.1とおだてることが出来た時代には、ニッポンが稼いだものをどうやって収奪すれば良いかを考えればよかったし、逆らえば恐ろしいことが待っているのはロッキード疑獄や、アメリカ国債を売っちゃうぞ発言をしちゃった人がたどった道をみれば明らかだ。大統領のまえで大歌手の真似をする(最初は真似とは思えず、踊った後反省する猿軍団のお猿さんかと思ったけど)ひとのUSAに対する気持ちがどのくらい屈折しているのかはわからないけれど、USAにしてみればとてもわかりやすいひとだったのだろう。与党と野党が入れ替わり、はじめの頃はtrust meとつぶらな瞳で言ってのけるひともいたけれど、現在の政権は海外から見ると、きっと今まで以上に何を考えているかわからない政権だと思う。TPPだって、USAが言うからいちおう参加しそうな雰囲気はみせているけれど、そこからの交渉はとてものんびりしていて、拙速を避けると言えば聞こえはいいが、やる気ないんでしょ、本当は、といいたくなる。でも、それはそれでいい。あれで喜ぶのは現時点ではUSAだけで、ニッポンがあれでいい思いをするには、もっと腰を据えて国内外の環境作りをしなければならないだろう。そんなとき、IMFへの拠出は、EUがこれで少しでも短時間でも安定すれば円高が弱まる可能性がある。一番良かったのは、ニッポンのプレゼンスを新興国と中国にちょっとだけ示せたことだ。何兆円をどぶに捨てるわけではないのだし、以前介入して買った外貨を使える機会でもある。安住財務大臣が株を上げた。

0 件のコメント: