2012年5月30日水曜日

評価委員会

久し振りの評価委員会。今回からは効果・安全性に加えて、いよいよK-M曲線の登場である。経過観察中が多いので、まだまだ将来予想はできないが、10年前の曲線と比較すると当然のことながら改善が明らかであり、治療の進歩には目を見張るものがある。問題は比較対照との間に差が生じるかどうかで、これに関しては予断を許さない。全身投与の治療薬と異なり、局所投与の場合には施術者の技量とコンセプトによって結果が左右されることもあるのは承知の上でスタートしたとはいえ、予後調査となると、糸の切れた凧状態を感じることもある。担当医の良心を信じていこう。

2012年5月26日土曜日

超音波医学会

学術集会に出席。相変わらずの分厚い抄録集を抱えての移動はちょっとめんどくさい。演題によってはさらに深度が増し、間口は狭くなり、日々超音波診断の何百点に期待をつないでいる当方としては、深さに目のくらむ演題が多くなった。もう一つ感じたことは、以前とは違ってco-medicalの方々の発表の比率が増えていることだ。疾患や臓器ではなくツールを軸としての学会はいろいろな職種の話が聞けるのが面白いときもあり、ちんぷんかんぷんで入って行けない時もある。

2012年5月24日木曜日

病診連携

新任の某病院副院長をはじめとする数名と会食。病院にしてみれば、患者増の手段の一つとして、病診連携を積極的に進めたいところであることはすごく理解できる。僕が院長していたときも、どうやって紹介頂く患者数を増やすかに腐心した。ご挨拶、病院便り、医師会会合への出席などでの近隣診療所での知名度アップ、受診報告、結果報告のスピードアップ、公開講座や医師相手の講演会での病院紹介などなど、自分なりに苦労したつもりではあった。それらが結実したのかどうか、結局よくわからなかったけれど、仕事場が変わったら一時病院の業績が落ちたらしいから、少しは効いていたのだろう。立場が変わり、もっぱら患者を紹介する側になって考えると、しかも、患者を受けたがっている医療機関が周囲にこれだけ沢山あると、紹介先を決めるのは、まず受け入れ窓口が懇切丁寧であること、そして優れた医師がいること、だと思う。副院長もいろいろ考えていたようで、大学関係者の都内リストを作って持ってきていたが、愛校心に訴えるこの作戦、確かに都内ではあまり積極的に進めていなかったことは確かで、うまくいくかも知れないが、いままでろくに連絡も来なかったくせに、と言われるリスクもありそうだ。ところで、酒の種類は多くて楽しい吟ばん、料理もまあまあだけど、固い板の間に薄い座布団の席は、高齢者には腰に悪い。

2012年5月20日日曜日

休日応急診療所勤務

今年度最初の休日応急診療所勤務は、5月中旬というよい季節にあたり、たぶん暇だろうと思っていたら、やっぱり暇だった。でも、朝、昼過ぎ、夕方の1-2時間は途切れぬ患者の来院が続き、特に、発疹性疾患の小児診察は、診断に苦労した。幸い、入院を要するような重症例はなく、患者が途絶えたすきに隣のスタバでストロベリーフラペチーノォをゲットして机で楽しんだ。それにしても、隣の歯医者さん、暇そうだったなぁ。

2012年5月19日土曜日

明六社

福澤諭吉協会の総会に出席した。出席者70余名。決算総会なので、昨年度の業績、行事の報告と決算内容の審議が行われ、大きい議論はなく全会一致で承認された。最近、会員数が減少傾向にあるとのことで、新会員の勧誘を、とのお話があった。なかなか難しい問題だと思う。
総会の後、筑波大学の先生による明六社についての講演。しっかり拝聴させていただいた。

2012年5月14日月曜日

久し振りの散歩



にに天気がよかったので、1時間の昼休みに久しぶりに界隈を散歩した。明大前通りを降りて、途中から裏通りに入り、前日例大祭が行われた太田姫神社に到着、神社前の提灯をチェック。何代か前からこの地で活躍されている偉い先生方のクリニックはちゃんと掲げておられる。さすが。記念写真撮影の後、和泉屋さんで、明日の利き酒会用に菊姫山廃仕込み純米酒をゲットした。昼食は医師会館に近い、最近できたみたいなラーメン屋デビットの醤油ラーメン。割とおいしい。支払はデビットカードではなく現金払いだった。そうそう、医師会館の工事が再開されており、解体の最後だろう作業が行われていた。隣家に近いコンクリ柱はまだ残っているが、あの柱に蔦をはわせ、遺跡風のイングリッシュガーデンにでもしたらどうだろう。

2012年5月6日日曜日

お土産物ゲット



Changi 空港で診療所の皆さんへのお土産を探した。地元の産物をと思って探したけれど、結局MalaysiaThailand製のお菓子になった。お店の人に聞いても、無いとのことだった。言われてみれば、国民所得が周りよりずば抜けて高くしかも国土が狭いこの国で、高い人件費と土地を使ってのお土産作りはとても高くつくのだろう。食料の自給も産業空洞化も、かつての姿と今を比較してしまう我が国では問題になるし、下手な外交のスキルアップとも絡めて、議論しなければならない事項ではあるけれど、この国では端から方針自明のことであるに違いない。国の規模が違うので、単なる比較は意味がないが、そこら辺、国会での議論が聞きたい。

2012年5月5日土曜日

天上のプールⅡ

万が一震度7が発生したら絶対に屋上にも真下にも居たくない作りのビルだけれど、下から見上げるとその存在感は圧倒的である。3棟に分かれたホテルのそれぞれに1階にロビーがあり、このロビー階は一つ屋根でつながっているので自由に行き来ができる。コーヒーショップ、中華レストラン、バーがあり、コーヒーショップのマレー系美人の超横割れパンタロンと、バーの中国系美人の肩肌脱ぎドレスが素敵だ。いや、超横割れパンタロンのマレー系美人と、肩肌脱ぎドレスの中国系美人が素敵だ。

早く到着してしまったので、シンガポールスリングを飲みながらコーヒーショップで一休み。夜、ここでカジノへの出陣前の腹ごしらえをしたけれど、アジアとヨーロッパ・アメリカの料理ビュッフェスタイルで、結構おいしく、よく冷えた地元タイガー生ビールがしっくりきた。

ところが、さすが総部屋数2500超だけあって、中国系の泊り客が多いチェックインカウンターが混んでいた。並んでからチェックインまでに30-40分かかり、整理案内係の中国系男子社員が、ミネラルウォーターを無料で配りながら愛想を振りまいている。部屋まではポーターなしで勝手に行ってよかったが、荷物をポーターに頼んだら、いつ部屋につくかわからない。

ちょっと値が張るけどcity viewの部屋を選んだら、20階のマーライオン正面の部屋で、眺めはさすがによろしい。マーライオンの小ささが実によくわかる。世界三大がっかりのうち、人魚姫は大昔にバスで通り過ぎ、ライオンは近くとこれだけ遠くでみた。残る一つはどこだっけ?


ここに泊まる一番大きな目的は、なんといっても屋上の宿泊客専用崖っぷち風巨大プールなので、海パンに着替えてエレベーターに乗ったらみんな水着の上に部屋備え付けのガウンを着て、ほとんど船橋ヘルスセンター風である。プール入り口ではカードキーを見せて入場。200mの高みだけあって風もそれなりで、あいにく曇天ということもあって、ちょっと涼しい。
写真奥に小さく見える赤いパラソルは、クラブフロア宿泊客専用バーなのだけれど、実はそこの人口密度が屋上で最高だった。もちろんフリードリンクなこともあるんだろう。

プールが面するベイサイドの反対側を見下ろすと、6月に開場する植物園が見える。貝殻状の温室の中には、バオバブの木とか、キナバル高地特有の植物などが現地から運ばれて植えられるらしい。ほんとに6月にオープンできるの?というくらいの工事進捗状況に見えるが、これが完成すると、ホテルに隣接する巨大ショッピングセンター、カジノ、ミュージアムなどと並び、見どころの一つになるだろう。湾口の向こう側にゴルフ場もあり、シンガポールの市街地、ベイサイドとマリナベイサンズ界隈全体が大きなテーマパーク的なエリアになるみたいだ。
ショッピングセンター内には人工運河が走り、当然のことながらゴンドラが行き交う。竿をこぐゴンドリエーレは純東洋風顔貌で、カンツォーネは無し。
全体として、すごく健康的なリゾート都市が出来上がりつつある。これに、セントーサ・リゾートを加えると、さらにマレー半島観光も視野に入れれば、とっても楽しい地域になるのだと思う。でも、マリナベイサンズに限って言うと、お部屋代がfour seasons hotelの倍近くというのはとんでもない。HISの課長さんが1泊で十分ではと言ったのは正解でした。

2012年5月4日金曜日

China town, Little India, Arab road



シンガポールは地政学的には東南アジアのほぼ中心に位置しているうえに、貿易立国を掲げて奮闘してきたのだから、周囲から多くの民族や人種が集まっていることは当然だろう。中国系が7割を占め、その後にマレー人、インド人が続くらしいが、そのそれぞれが多くの民族の集合体であり、使う言語も30以上とのことであるから、シンガポールにおいては祖国統一、と言った概念はほとんど意味を持たないと思う。このような国家が現在の繁栄を誇れるのは、国民が国をよくするために努力したというよりは、自分が自分のためにするべきことをしたら、それが国家の方針と一致していた、ということなのではないか。民族や人種が異なっても、目的を同じくする者が集まったのがこの国なのではないか。
この国には同民族が集まる地域がいくつかあるとのことで、そのうち、china town、little india、そして、arab street を見学した。
Four seasons hotelの最寄り駅から乗ると乗り換えなしでいける地下鉄のRaffle's placeを降りてから西方に歩くと、Bank of chinaをはじめとする中国資本の様々な企業などの高層ビルが建ち並ぶエリアが広がっている。どの通りにも英語、たぶんマレー語に加えて中国語の名がついて表示されている。市中心部の駅をはじめとする様々な公共機関の文字表示は多くの場合英語、マレー語、アラビア語、中国語であるが、この地域に限っては街路表示は多くがアラビア語を除く3カ国語のようだ。東京で言えば丸の内から霞ヶ関に相当しそうなこのエリアでの中国資本のど迫力は、民族構成を考えれば当然のことなのだけれど、それでも恐れ入るところがある。このエリアを通り過ぎたところに高層ビルがない古い町並みの一角があり、そこがチャイナタウンである。中心に地下鉄チャイナタウン駅がある。土産屋と中華料理店が集まったごちゃごちゃの一帯であるが、となりに小さい飲食店がぎっしり詰まった集合ビルがあって、ここの熱気がすごい。

little indiaも同名の地下鉄駅から広がるエリアだが、こちらは日常の食料品、雑貨からお土産まで何でもかんでもが狭い一角にひしめいている地域だ。香辛料の香りが一帯に立ちこめている。ここの通りをぶらぶらしていたら、ヘンなインド人らしい中年男から「Are you hungry?」と話しかけられた。腹が減っていそうな中国人がいたので話しかけた。どこかで何か食べないか?と、優しそうな顔と声で近寄って離れないので、No!オレは中国人じゃないし、腹減ってもいないよ、ということで追い払った。怖くはなかったけれど、ちょっと気持ち悪かった。

次に別の駅に移動して、arab streetに向かった。歩く人々はがぜんアラブ系になり、街の景色も心なしか砂漠色である。本当はモスクまで行きたかったのだけれど、黄昏がせまってきたのと、もう一つhaji laneという小道がホテル備え付けの英文町紹介本に載っていて、それがファッショナブルな場所として注目を集めているとのことなので、そちらに向かった。確かに、小さなブティック、カフェなどが狭くて短い道沿いに並んでいる。でも、裏原宿などと比べると、さすがにしょぼい。

地下鉄の数駅を移動するだけで街と人々の性質がこれだけ変わるとは、どこまでも均質なニッポンから来て見て回ると、不思議の世界ではある。

天上の楽園プールⅠ



20階にある屋上プールは人影もなく、着替えてプールサイドに出ると係のおばちゃんがすでにデッキチェアにタオルを広げ、寝転がっていたらフレッシュオレンジジュース、冷えたミネラルウォーターとミストが傍らに置かれ、ほとんど極楽状態である。2-3週間の夏のバカンスだったら当然ここでは何もせず本を読むか昼寝をするかなので、2-3日の短期間バカンスなのに、限られた時間をついつい美味しいジュースを飲むことと読書に使ってしまった。この景色が自宅の庭のプールサイドだととてもかっこいいのだけれど。時々こんな風景の中に入るのがせいぜい、というのが分相応ということなんだろう。


夜は再び街に出て、並んでトレイに海老麺中盛りをゲットした。動詞を使わないおばあちゃんレジと、笑顔も見せず一心不乱に麺をゆでる多分孫娘の作品は充分美味で、大盛りにしとけば良かったと思ったくらいだった。ここのフードコートで行列が出来ていたのはこの店と、銀だこ、板長寿司、と言う具合で、ニッポンはそれなりにがんばっているのだ。

2012年5月3日木曜日

シンガポール


空港から市内に向かうタクシーからの景色をみて感じたことは、ドイツ車がとても多いことだ。とくにS の比率は日本より大きいのじゃないだろうか。国産車を持たないこの国の車は、もちろん100パーセント輸入品で、見た目日本、ヒュンダイ、ドイツの順番かな。クルマの綺麗さ新しさは日本並みで、軽と小型は目立たない。経済規模はまったくちがっても、この国は豊かなのだと思う。でも、CL, SLは見かけない。もっとも、AB も見ないけど。 

CX736


昴、YMCA、東京ブルースの中国語版が機内ミュージックChinese all time hitsチャンネルにはいっている。テレサ-テンの歌が三曲(東京ブルースの中国語版がその1つ)はいっている位だから、日本で言えば往年の、とか、懐かしのヒットメロディということになる。YMCAはアメリカ製だし、ということで、それではと日本人向けのj-popチャンネルを見てみると、韓国の歌手さんがちゃんといて、結局どこの国のヒトがナビゲーターをするかで対象国民が決まってくる構成だ。音楽に国境はないのは確かだけど、医療の国境ってあるのだろうか?医療と介護のノウハウはニッポンは早く訪れた高齢化社会で蓄積されるだろうから得意分野に成りうるのだけれど。

 


Four Seasons Hotel Singapore

たった3泊の弾丸ツアーではあるけれど、ホテルに関して言えば熱帯の植物に囲まれた静かなホテルにも泊まりたいし、今話題の空中プールの巨大ホテルにも泊まりたいということで、はじめはカード会社の旅行部門に頼もうかと思った。でも、今まで依頼してみて、そのたびに無難なところ、無理のない結果が出るような気がして、なんとなくつまらない、興奮しない旅になることが多かった。おそらく、こちらが知らないのと同じか、最悪、僕以上に情報を持っていないと言う結論になった。高い年会費に見合わない気がして、今回はパス。新宿高島屋向かいのHISに入って久し振りの窓口相談になった。相談が出発間近だったので、苦戦は予想していたが、何とか香港経由で希望時間のフライトをみつけてくれた。ホテルは更に一苦労で、ベイエリア付近は3日の宿泊が全然決まらない。いっそのこと海から離れていて静かな所を、と言うと、教えてくれたのがFour Seasons Hotel Singapore だった。Marina Bay Sands はHISではゲットできず、Internetで直接交渉してBay View sideに1泊することになった。結果としては、この組み合わせはなかなか良いものだった。

Orchardから少し入ったところにあるこのホテル、周りを繁茂する木々に囲まれ、繁華街まで5分くらいなのにとても静か。チェックイン後早速夜の街を偵察に出かけた。夜7時頃街に繰り出している人々の年齢は20代前後が多く、若さが溢れれている。蒸し暑い歩道にも人は多いが、エアコンの効いているビル内にも人が溢れ、とくにフードコートの人気店は人だかり。美味しそうな店で細麺辛味の麺セットを食べたが、パクチーどっさりのピリ辛麺は実に美味しかった。