2012年5月4日金曜日
China town, Little India, Arab road
シンガポールは地政学的には東南アジアのほぼ中心に位置しているうえに、貿易立国を掲げて奮闘してきたのだから、周囲から多くの民族や人種が集まっていることは当然だろう。中国系が7割を占め、その後にマレー人、インド人が続くらしいが、そのそれぞれが多くの民族の集合体であり、使う言語も30以上とのことであるから、シンガポールにおいては祖国統一、と言った概念はほとんど意味を持たないと思う。このような国家が現在の繁栄を誇れるのは、国民が国をよくするために努力したというよりは、自分が自分のためにするべきことをしたら、それが国家の方針と一致していた、ということなのではないか。民族や人種が異なっても、目的を同じくする者が集まったのがこの国なのではないか。
この国には同民族が集まる地域がいくつかあるとのことで、そのうち、china town、little india、そして、arab street を見学した。
Four seasons hotelの最寄り駅から乗ると乗り換えなしでいける地下鉄のRaffle's placeを降りてから西方に歩くと、Bank of chinaをはじめとする中国資本の様々な企業などの高層ビルが建ち並ぶエリアが広がっている。どの通りにも英語、たぶんマレー語に加えて中国語の名がついて表示されている。市中心部の駅をはじめとする様々な公共機関の文字表示は多くの場合英語、マレー語、アラビア語、中国語であるが、この地域に限っては街路表示は多くがアラビア語を除く3カ国語のようだ。東京で言えば丸の内から霞ヶ関に相当しそうなこのエリアでの中国資本のど迫力は、民族構成を考えれば当然のことなのだけれど、それでも恐れ入るところがある。このエリアを通り過ぎたところに高層ビルがない古い町並みの一角があり、そこがチャイナタウンである。中心に地下鉄チャイナタウン駅がある。土産屋と中華料理店が集まったごちゃごちゃの一帯であるが、となりに小さい飲食店がぎっしり詰まった集合ビルがあって、ここの熱気がすごい。
little indiaも同名の地下鉄駅から広がるエリアだが、こちらは日常の食料品、雑貨からお土産まで何でもかんでもが狭い一角にひしめいている地域だ。香辛料の香りが一帯に立ちこめている。ここの通りをぶらぶらしていたら、ヘンなインド人らしい中年男から「Are you hungry?」と話しかけられた。腹が減っていそうな中国人がいたので話しかけた。どこかで何か食べないか?と、優しそうな顔と声で近寄って離れないので、No!オレは中国人じゃないし、腹減ってもいないよ、ということで追い払った。怖くはなかったけれど、ちょっと気持ち悪かった。
次に別の駅に移動して、arab streetに向かった。歩く人々はがぜんアラブ系になり、街の景色も心なしか砂漠色である。本当はモスクまで行きたかったのだけれど、黄昏がせまってきたのと、もう一つhaji laneという小道がホテル備え付けの英文町紹介本に載っていて、それがファッショナブルな場所として注目を集めているとのことなので、そちらに向かった。確かに、小さなブティック、カフェなどが狭くて短い道沿いに並んでいる。でも、裏原宿などと比べると、さすがにしょぼい。
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