患者さんが来院したら最良の治療をしよう、というポリシーをもって診療所を開いている。
たとえば、発熱と咳で医者にかかる人はどんな気持ちで来院するのだろうか。
上司に怒鳴られながら会社で仕事をしている25歳のパート社員、Aくん:「基本的に頑丈なカラダが取り柄だから、この数日しのげるだけのクスリを早く処方して欲しい。せっかくの休み時間に走ってきたのだから。マツキヨでもよかったかな」。
引退して楽隠居の79歳の男性 、B氏:「一人暮らしで症状が出たので心配で来院。風邪だと思うが肺炎になったらどうしよう。そういえば、似たような症状で病院に行ったらガン末期だった会社の同期がいたな。この際、徹底的にカラダ全体を調べてもらいたい。時間は毎日いやと言うほどある。死ぬまでは。」
62歳の社長夫人、Cさん:「夜のパーティーまでは暇な時間なので、お医者さんにでも行きましょう。待合室が広くてきれいだし、なんと言ってもあそこの先生優しい。」
カルテに残る記録は問診、診察、そして鎮痛解熱剤と鎮咳剤などの処方だろう。でも、Aくんにはほとんど待たせずに診察してあげたいし、B氏には胸部レントゲンを追加し、次回来院時には健診をすすめたい。Cさんのためには、待合室に愛読の雑誌の最新号を置いておこう。壁の絵も久しぶりに変えようか。
訪れたひとが、そのときの病気に関してはもちろんのこと、それ以外にもちょっとホッとして帰ってくれる、そんな診療所が良いんじゃないだろうか。
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