2年毎のこの肝臓病教室も、今年でたぶん5回目だと思う。最初の頃はウイルス性肝炎の転帰とアルコール性肝障害の諸種相を一般向けに説明して、インターフェロン治療の次には強ミノCのことを話していれば事足りたけれど、最近の数回はウイルス性肝障害についてはプロテアーゼ阻害剤、さらに国の様々な助成について時間を割くようになり、なんと言ってもウイルス性肝疾患とアルコール性肝障害に割り当てる時間よりも、脂肪肝とメタボリック症候群に関する話題とその対策にかける時間が多くなってきているのが大きな違いだ。出席するのは10年前と同じ年代のオジサンが圧倒的であるが、こちらが年とった分だけ相対的には若返っているのがキモい。健保組合の健診で肝障害を発見されてDあるいはE評価をくらったのだろうが、その多くは肥満、高脂血症、糖尿病予備軍を合併している。100人をはるかに超える受講者のうち、予後が肝障害で決定されるのはわずかであり、多くは合併する動脈硬化の合併症が待ち受けている未来を持っているわけだ。自覚症状が無いためか、治療コンプライアンスの悪さは折り紙付きで、病気に対する恐怖心も全くと言って良いほど欠如しているのが不思議である。
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