2014年8月13日水曜日

ヒエラポリス

夜通しエアコンの調子が最低で、寝不足ではあるけれど、遠くにパムッカレの石灰棚を見る屋上での朝食は気持ちが良い。この国では野菜の新鮮さがことのほか嬉しく、肉と野菜を主とする料理の味付けに使われている香辛料の多彩さは目を見張るものがある。でも、どれも似通った味のイメージでちょっと飽きを感じることもある。チーズはとても美味しい。
以前からテレビで取り上げられてきているパムッカレの石灰華段丘をようやく訪れることができた。純白の石灰で彩られた段丘は確かに美しい。陽光を浴びて本当に輝いている。景観を楽しみ、一部立ち入りが許可されている棚の中を裸足で歩いている観光客の一部がビーサンとビキニ海パンであることに最初驚いた。
後でわかったのだが、棚から500mほど歩いたところに温泉プールがあって、そこで遊びながら観光するという古代ローマ帝国時代のここでの遊び方が復活している、ということのようだ。温泉プールの中には帝国時代に建造され地震で水中に没した石柱が多数転がっている。往時は人口10万人に達した温泉保養地として栄えたヒエラポリスは石灰棚の上部に広がる高原を中心に広がり、劇場、会議場、温泉保養所などがいろいろあったらしい。2つの大地震で破壊されきったらしく、現在復活させる工事が行われている。
劇場跡の最上段に立って見下ろすとわかるのだけれど、山の中腹の高原に作られたヒエラポリスは広さは数平方キロで中心に各種石造建造物があり、中心に泉を配しその下部に温泉が湧出する。さらにその下方に石灰華段丘があり、ここからはるかに見渡す平原は広く豊かであり、パムッカレの語源となった綿などの栽培に適していたのだろう。その更に先には山脈が連なり、まさに地上の楽園といえる。古代ローマ帝国の人々が支配者としてこの絶景と環境を享受していたことは想像に難くない。

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